あなたは、「どうしてもっと試合に勝てないのか?不思議だ。その理由を知りたい…」と思いませんか?
もちろん、テニスの勝敗はマルチファクター(複合要因)で決まります。そのため、たった一つの要因に、負けの全てを押し付けることはできません。また、対戦相手もいるので、いくらあなたが調子良くても、たまたま勝てない日もあります。
ただ、そんな不確定要素はありながらも、ウィークエンドプレーヤーの場合、約80%以上の負け要因は“自滅”。しかも、無自覚に近い状態で自滅。「何だかわからないけれど負けていた…」という体験をしている方がほとんどなのです。
なぜ、こんな理不尽なことが起こるのでしょう?それは、人が“思い込み”を持つからです。あなたも経験あるでしょうが、“思い込み”の力は凄まじいです。良い“思い込み”は、素晴らしい結果を生み出しますが、反面、間違った“思い込み”は、最悪の結果を生み出す力があるのです。当然、自滅負けは、悪い“思い込み”の結果となります。
もちろんあなたが、「何だかわからないけれど負けていた…」と自滅負けしたことがあったとしても、それはあなたの責任ではありません。あなたは決して悪くはないのです。悪いのは指導者。生徒の間違った“思い込み”を正せず、自滅負けに追い込んだ指導者に責任があるのです。
そして、間違った“思い込み”から生まれる自滅負けのパターンはたくさんあります。たくさんありすぎるので、ここでは代表例を話します。
それは、2013年の春。千葉のインドアコート2面を使い開催した、「あなたの得意なショットを見極め、もっと試合に勝てるようになる!」というセミナーでのことです。まずは、参加者の得意なショットを見極めるため、「あなたは、フォアハンド、バックハンドのどちらが得意ですか?」と質問すると、即座に…「ファアハンド!」と、20名全員が答えたのです。
「では、その得意なフォアハンドを見せてください!」と私がお願いすると…出るわ、出るわ。フォアハンドのミスが。「これでもかぁ~!」というくらい出たのです。
順クロス、逆クロスを打つごとに、ミス、ミス、ミスのオンパレード。黄色いボールがあっちこっちに広がり、その幾つかはネットから跳ね返り、参加者の足元にまで転がり、一旦プレーを中断。「足元のボールをどけてください」と言う場面さえあったのです。(ウォーミングアップの、ごくごく簡単な球出しボールなのに、です。)
「本当に、これで得意と言えるのだろうか?」私はもとより、「得意です!」と打つ前に宣言していた方々まで自らに疑いの眼差しを向け始めます。そこで最終確認する意味で、「今度はバックハンドを打ってください!」とお願いすると…
「何と、バックハンドはノーミス!」
順クロス。そして普段打つことの少ない逆クロス打ちでさえ、フォアハンドとはまるで大違い。ボールが、自然と“スゥ~”とコートの中に収まっていくのです。
これには、参加者自身も“目が点”。「あれっ?ひょっとして負けてきた原因の一つは、フォアハンドの自滅?」と、誰もが目を覚ましたのです。
つまり…
「得意と“思い込んでいた”ショットは、実はポイントの取れないショットだったのです!」